読める書体/安心印鑑工房
「この書体、どう思う?」
盟友・永田 皐月からサンプルを見せられたときの驚きは、やや大げさに言えば、衝撃に近いものがありました。
一見したところ、それは実印・銀行印などに用いられるごく普通の印鑑書体です。 しかし少し注意深く見てみると、彫られている文字が、実にハッキリと読めるのです。こんな印鑑書体は初めて目にしました。
先ほど「ごく普通の印鑑書体」と申しましたが、それは今から2千年ほど前の中国で用いられた「篆(てん)書」がベースになっています。
試しにお手元の千円札をご覧ください。表面に印刷されている印鑑(印影)、何と彫られているか、お読みになれますか?
正解は
之総
印裁
つまり「総裁之印」です。
ちなみに裏面の印鑑は
券
長 発
局
こちらは「発券局長」と彫られています。
それぞれの様式は異なるものの、いずれも「篆書」で彫られています。恐らく一般の方はほとんどお読みになれないでしょう。
この「篆書」は確かな歴史と伝統に裏打ちされた、それはそれは格調高く由緒正しい書体ですが、一方で、現代のわれわれにとってはその判読がはなはだ困難です。
それに対して印鑑店や文具店、100円ショップで売られている、ぐるぐる回るタワーのようなケースに入った既製の認印は、可読性が必要という性質上、読みやすい書体で彫られています。しかしそこには印鑑本来が持つ重厚さ・品格のかけらもありません。
ところが、このとき永田 皐月に見せられたサンプルには、
■いかにも印鑑らしい堂々たるたたずまい
■少しだけ目を凝らして見ると何と彫られているかハッキリ読める
この、互いに相反するはずの、印鑑に必須の2つの要素が、ものの見事に、そして自然に、両立しているのです。しかもその上、文字はスッキリと伸びやかでどこまでも美しい。
これは単なるオリジナル書体という枠を超えた、今までになかったコンセプトに基づく画期的な新書体です。
この書体の素晴しさを多くの皆様に知っていただきたく、平成22年(2010)に新たなウェブサイトを制作、開設しました。
■よく見れば誰の印鑑かハッキリわかるので安心
■当店だけのオリジナルなので偽造や偶然の一致の危険性もなく安心
この2つの「安心」が【安心印鑑工房】の特色であり、また使命でもあります。
■2022.01.30追記:
Webサイトを完全リニューアルしました。
コンセプトは変えず、これまでより見やすく・わかりやすくしました。