Dual Hanko デジタル印鑑
2020年、突如として全世界を震撼させた新型コロナウィルス。
日本においても東京オリンピックが1年延期となるばかりでなく、多くの産業が大きな影響を受けました。 外食産業と並んで特に大きな打撃を受けたのが観光業です。 外国人観光客激減の余波は、当店のような超ウルトラ・スーパー零細小売店にも押し寄せました。
春以降、Dual Hanko の注文がピタリと止まってしまったのです。
外国からの観光客はもちろん、外国に出かける日本人のお客様にも現地の友人・知人へのお土産としてご注文いただく商品ですから、諸外国との往来が遮断されれば、売れなくなるのも当然です。
その一方、SNSを通じて「Dual Hankoを注文したい」という海外のお客様からの声もたまにいただきます。 たいへんありがたいご要望ですが、何しろ海外通販の経験がないので、
■どのように送ればよいのか?
■送料はいくらかかるのか?
■外国の方にいかにしてお支払いいただくのか?
など、超えるべきハードルが多すぎて、申しわけなくもここまでお断りし続けてまいりました。
ところが4月のある日、やはり海外のお客様からSNS経由で「Dual Hanko現物ではなく、印影をデータ化して販売してくれないか?」という問合せをいただきました。
そうか、その手があったか!
恥ずかしながら、これまでハンコを「物体」としてしか認識してこなかった古くて固い頭を、思いっきりハンマーでカチ割られたような衝撃を受けました。 物体を伴わないデジタル印鑑(=データ化された印影)であれば、Eメールに添付して納品できるので、全世界どこに送ろうが送料は発生しません。
その日から早速見本制作~デジタル化の実験に取りかかりました。その結果、デジタル印鑑はサイズや色などの点で実体のあるハンコよりむしろ自由度が高いことがわかりました。 なんでこんなことにもっと早くから気がつかなかったのだろうか?
今年の大型連休はステイホーム週間、これ幸いとばかりに自室に缶詰め状態でWebページ制作とオンラインショップ構築に明け暮れ、 苦手な英文は信頼できる専門の方にお願いし、決済方法など諸々の条件もどうにかクリアして、ようやく7月に完成に漕ぎつけました。
昨今、ハンコはリモートワークの障害などと断じられ、悪者扱いされつつあります。 しかし、捺印の慣習や制度は別にして、ハンコ自体は本人の名前が記されたパーソナルなアイテムです。 この機会に【Dual Hanko デジタル印鑑】を通じて、広く海外の方々に、ハンコの楽しさ・素晴らしさを知っていいたければ、と儚い望みを抱いています。
【Dual Hanko デジタル印鑑】開発の背景は、ジャパンタイムズに掲載されました。
※Dual Hanko は有限会社 文福堂印房の登録商標です。
※Dual Hanko のデザインは意匠登録されています。