ぶらり途中下車の旅/日本テレビ

秀碩の工房が「ぶらり途中下車の旅/日本テレビ」で紹介されました

先代店主・松崎 秀碩の店舗を兼ねた工房が、まだ世田谷区奥沢にあった平成17年(2005)の話です。

「ぶらり途中下車の旅」は今日では隆盛を極めている、いわゆる「街歩き番組」のさきがけのような存在で、今日まで続く長寿番組です。

番組タイトルが示す通り、タレントが実際に電車に乗り、いくつかの駅に途中下車して街を歩くという内容で「東急目黒線沿線」の回にお声がけいただきました。

この回の旅人は、東北弁を駆使した親しみやすさで当時人気を博していた外国人タレント。
奥沢駅で途中下車して諏訪山商店街を散策するうち、先代店主の店舗「秀碩の工房」の看板が目に留まり、思わず足を踏み入れるという設定です。

店に入ったタレントはまず店内に飾られた天皇御陵印や歴代総理大臣のはんこ印影の数々に驚き、そこに先代店主・松崎秀碩が登場します。

その後、秀碩の彫刻作業とともに本人の紹介が流され、続いて店内接客テーブルで秀碩がタレントにハンコの正しい捺印方法を伝授します。

そして最後にタレントが彼に「人生でいちばん大切なことは何ですか?」と尋ねます。

すると秀碩はこう答えます。

「職人は何と言っても『良い仕事を遺す』ということに尽きます。
名前を遺す必要はありません、良い仕事を遺すのが職人にとって最高のことです」

実はこの収録に、私自身は立ち会っておりません。
番組が放映されて初めて、父・秀碩の職人としての矜持を、ブラウン管越しに垣間見た次第です。

早いもので父がこの世を去って10年以上が経過します。
しかし、この番組の中の当時73歳の父はまだまだ若々しく、穏やかな笑顔を見せてくれます。

生前、それも元気なころの父の姿がこうして映像で残されていることを、とてもありがたく思います。

■手彫り印鑑職人・秀碩の工房 Webサイトを見る>>